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ハイテク捜査最前線 解析技術向上、情報共有も(産経新聞)

 大阪府警本部(大阪市中央区)8階にある近畿管区警察局情報技術解析課分室に「シールドボックス」と呼ばれる電波を遮断する機材がある。みかん箱ほどの大きさの鉄製の箱のなかで行われるのは犯罪に関係した携帯電話の解析だ。

 シールドボックスの外にあるデスクトップパソコンがあり、なかにある携帯電話とケーブルでつながっている。ボックスの側面には直径約20センチの穴が2つ開いており、男性職員がそこから両手を差し入れて携帯を操作。しばらくして穴から手を抜きパソコンのキーボードをたたくと、モニターには数字と文字が浮かび上がった。

 解析が必要なのは携帯電話がひんぱんに登場する詐欺事件だけではない。強盗や殺人などの凶悪事件から交通事故にいたるまで、関係者の通話履歴やメールの送受信履歴などのデータを取り出して分析し、証拠として活用することは必須となっている。背景には、裁判員制度の導入でより客観的な証拠を求められていることもある。

 犯罪者側が証拠隠滅のため携帯を破壊したり、メールや画像、通話記録を消去したりするケースも多いが、ある程度の破損ならばデータを取り出すことは可能。消されたメールのデータも復元できる場合もある。「Eメールの『E』は、今やEvidence(証拠)の『E』と同義」(捜査関係者)という。

 警察は近年、電子機器に保存されているデータを解析するデジタルフォレンジック(犯罪立証のための電磁的記録の解析技術・手続き)の強化に取り組んでいる。なかでも技術革新が早く、新製品が次々と生まれる携帯電話は都道府県警だけでは解析技術が追いつかない場合が多く、警察庁は平成16年から同庁や管区警察局などに専門の解析チームを配置した。全国の警察から依頼されて解析を支援した携帯電話の台数は、平成17年の1万2865台から20年は2万1361台にまで急増している。

 昨年12月には、国際刑事警察機構(ICPO)や国際電子計算機証拠機構(IOCE)と共催で、パソコンや携帯電話の解析技術について意見交換する国際会議を東京都内で初めて開催。米連邦捜査局(FBI)など欧米やアジアの14カ国2地域の担当者が出席した。会議の冒頭、警察庁情報通信局長の稲垣嘉彦は「パソコンや携帯電話など、情報技術の進歩が犯罪のグローバル化を助長している」と指摘。解析技術の向上や共有化の重要性を訴えた。

 携帯電話が捜査現場に及ぼす影響は、「重要な証拠品」という位置づけに留まらない。迅速な情報共有が不可欠な初動捜査の分野でも、欠かせないツールとなりつつある。

 千葉県警では昨年6月から、千葉市内の交番勤務警察官約200人に「マンロケータ」と呼ばれる衛星利用側位システム(GPS)機能付きの特殊な携帯電話を配備した。

 携帯電話のカメラで撮影した現場などの画像を送信すると、他の携帯や通信司令室、パトカーのカーナビに自動的に配信される仕組みだ。画像という視覚情報がリアルタイムで共有させることで現場レベルでの連携や連絡体制が大幅に改善され、犯人追跡など初動捜査で威力を発揮することが期待されている。

 効果はさっそくあらわれている。システム導入直後の6月11日、千葉県市川市内の銀行に男が押し入り「爆弾を爆発させる」と記したメモを見せて現金を奪おうとした強盗未遂事件が発生した。現場に急行した捜査員が犯人のものと思われる汚れた靴痕を発見、携帯電話のカメラで撮影しメールで画像を配信した。

 この情報をもとに靴が汚れた不審者に絞って周囲で職務質問を行ったところ、近くにいた30代の男の靴底の模様が画像と一致。現行犯逮捕につながった。

 千葉県警情報通信課は「これまでは無線交信で状況を何度も聞き直す必要があったが、現場の警察官が即座に状況を把握できる。治安向上に向けた切り札にしたい」と意気込む。

      =(敬称略)

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